ミャンマー人のお宅にうかがうと、鉄の扉のカギをガチャガチャ開けて、「ラー(入って)」と手招きされ、家の中に入るよう促されます。
そんなときは、いえいえ、とか遠慮せずに、入って椅子に座って、少し話をします。
日本では(とくに東京など)、急な来客だと、部屋が汚いからって、ドアの外で人と話したりしますが、ミャンマーだと「なによ、水くさいわね」みたいな印象になるようです。
部屋が散らかってようが、きれいだろうが(たいていきれい)、welcome なのは国民性とか、時間があるというのもあるのかもしれません。
ミャンマーの家には、靴を脱ぐ玄関というのが決まっているわけではないのですが、まあゾウリは入り口で脱ぎます。
入り口にマットのようなものがあったら、それで足の裏をズリズリとこすって、キレイにして入るのが、なんとなくマナーのよう。
入り口にマット、というのは、お寺とか、パゴダとかでもよく見掛けると思います。シュロで編んだようなチクチクするマット、ミャンマーに行ったことがある人は、何度か踏んだことがあると思います。
私もあれで足をこすってヨゴレを落として、パゴダなりお寺に入るのですが、実はあれには「水虫菌がいっぱいなんだよ」と聞いたことがあるのでご用心を(笑)。
(水虫菌は24時間(12時間?)以内に水で洗い流せば定着しないって聞きますが本当かしら。)
ただ、ミャンマーの人たちはゾウリで、いつも乾燥しているので水虫比率は低いようです。
さて、話を戻します。
たいていのお宅に入ると、椅子がずら~っと並べてあったりします。
4、5脚とか、多いと10脚とかもっと。そこは、なんとなく近所の人が来てしゃべったり、家族の憩いの場であったりします。
その椅子は、たいていこんな椅子で↓、年季が入っていると茶色くすり切れていたりも。
お母さんがまだ元気だったころは、私が椅子に座っていると、いつも横に来て、ウチワで足もとをあおいでくれたり、友だちと話しているのをニコニコ笑って聞いていたり。
そういう場所は、大人も子どももみんな一緒なので、みんな顔見知りだし、誰々の家がどんな商売をしててうまくいってるか、行っていないか、どんな問題があるのか、誰とケンカしたか、とかなんでもよく知っています。
日本では、小さいときはまだしも、年齢が上にいくと大人の知り合いは大人の知り合い、子どもの友だちは子ども、となって部屋で遊んだり、親もあえて交わらなかったりするので、ゾゾはとても不思議なようです。
だからゾゾは、子どもの友だちが来ていてもふつうに会話して、この間などは息子の友だちが来ている前でパンツ1丁になって丸いお腹をさらしていました。
お友達も苦笑い。でも何度かあっているのでちょっと免疫ができているようでした。慣れ、ですね。
最近ミャンマーでもペットらしいペットを飼うのが人気で、上の写真のようなモコモコのワンコが人気があります。
あの暑いミャンマーなのに、ボサボサの髪のが結構いて、ビアデット・コリーというタイプのワンコちゃんのようですが、あまり洗わないようだし、部屋のなかはホコリだらけなので寝ころがるとモップ状態だし、あまりイイコイイコをする気になれないようなワンコちゃんも少なくなくて(^_^;
私たちが20年前くらいに行ったときは、ニャンコを飼うご家庭はありましたが、犬は路上でブラブラしている“野良犬”しかいなくて、ガリガリでよろよろしていて、みんなに石を投げられていたり、邪険にされていました。だから最近は、随分ワンコの格が上がってきたようですよ。
15年くらい前のときには、ペットショップのようなものもできて、モコモコワンコは5000円くらいで取引されていました。
人が椅子に座るとワンコが人の足もとに来て、だらーんと伸びてたりして。
客間の椅子は、人やワンコの憩いの場なのでした。
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