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ミャンマー夫 ゾゾ、沖に流されても「ダイジョウブ」?

投稿日:2015年8月2日 更新日:


最初にゾゾと海に行ったのは、私の母が、ゾゾに言い寄ったあのとき、まさにその日でした。
キャンプに行ったことがない、というので、アウトドアに少し慣れていた両親に連れて行ってもらったのです。館山だったと思います。

今でこそミャンマーの西の海岸線に「ガパリ」や「チャウンター」「グエサン」といった人気ビーチリゾートがいくつかありますが、20年前というとそうしたビーチが一般の人にも知られ始め、長いお休みに家族で出かけるようになってきました。

しかも、ヤンゴンからビーチまで行くには、デコボコの道を十何時間、何十時間もかけて、まさに命懸けで遊びに行ったものです。
川を越えるフェリーなんかも、炎天下で3、4時間待つのは当たり前で、パンクもたびたび発生。
そのたびに女性、子どもたちは車の中に閉じこめられ、近くの村まで人を探しに行ったりしたのです。電話など、ほとんどない地域でしたから。

西伊豆の田子瀬浜

西伊豆の田子瀬浜

ともあれ、館山のキャンプ場では、テントを組んだり、自炊をしたり、それからビーチのひとときも楽しく過ごしていました。

ゾゾと私は、持参したビニールボートをふくらませて、ちょっと波にのってふわふわしてみよう、と海に出ました。

ゾゾは「ダイジョウブ、ダイジョウブ」とプラスチックのちゃちなオールで漕いで、ビーチから離れていきました。

私「あまり遠くに行くとコワいからやめようよ」
ゾゾ「ダイジョウブ、ダイジョウブ」

そのとき、ちょうど波が引いていく時間だったのでしょうか、軽いボートは気づかぬうちにかなり沖に流され、戻れなくなっていました。

私は、コワくなり、ビーチで甲羅干しをしていた両親に、「助けて~」と手を振りました。しかし、両親は気づいて、手を振り返しました。私たちが遊んでいると、まだ思っていたのです。

しかしそのうちなにかおかしいと思ったのでしょう。
両親は手を振るのをやめて、しばらくこちらを見ていました。

私たちは、たまたま近くでウィンドサーフィンをしていた男の子に、ワラをもすがる思いで助けを請いました。

私「すみません、流されてしまって戻れなくなってしまったんですが、助けを呼んでいただけますか?」
男の子「ボクもウィンド初心者で流されてて戻れないんです」
がーん。

不安に押し潰されそうになりつつ待つこと数分。このまま流されてしまうのかと怖くて頭はまっ白。

そのとき、ビーチからマリンジェットが近づいてきました。救世主です。

マリンジェットお兄さん「ビーチにいるご両親から様子が変だと言われて来ました、大丈夫ですか?」

ゾゾ「ダイジョウブじゃないです!」

そうして私たちはロープを握らせてもらい、ビーチに連れて行っていただき助かることができました。もちろん両親からは、後先考えて行動しろ! と叱られ、マリンジェットのお兄さんにはビール1ケースをお礼しました。

↑堂ヶ島近くの乗浜海岸

↑堂ヶ島近くの乗浜海岸

ゾゾの「ダイジョウブ」という言葉にのせられたわけではありませんが、彼は基本的に「万が一」ということを考えないタイプです。ミャンマー人全員がそういうわけではないと思いますが、「一家の大黒柱に何かあったら家族が路頭に迷う」という考え方は、強くはありません。

「何かあったら親族がお世話をするのが当たり前」という考えがあるからでしょう。そのためほんの少し前まで、生命保険というものがミャンマーにはありませんでした。(最近は、日本の会社が進出したという聞きます)。

「ボクは死ぬわけない」と考え、ゾゾは生命保険など絶対に要らないと言い張ります。(でも、私はこっそりかけています、何かあったら大変ですから。)

彼から見ると、日本人は保険をかけ過ぎる、と言います。保険貧乏という言葉もあるくらいですから、そういう面はあるのかもしれません。でも何かあったときの安心になるのは確かなので、それは価値観の違いですね。

「万が一」ということを考えないので、戸締まりもユルいです。
「泥棒なんて入るわけない」と考えて、カギの扱いが乱雑ですし、「人が覗くわけない」として、通路側の窓を全開にしていたりします。油断して着替えをしていると、窓が開いていた、ということもしばしばです。対策を急がないといけません(^_^;

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このブログは、ミャンマー出身の夫ゾゾと、大学1年生の娘ダズィン、高1の息子トゥエとの日々をつづっています。日本人同士なら暗黙の了解でわかるようなことが、了解にならず、それってありえない!ということが日常茶飯事。そんな、外から見たら笑っちゃえるかもしれない話を書いています。 1996年ごろ住んでいたミャンマーでの出来事や、近年遊びにいった各地の様子もご紹介。これから旅する方の、ちょっとだけでもお役にたてれば幸いです。
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