代官山の魔女(マニョ)と呼ばれる心理カウンセラーで、僧侶の山口依乗(えじょう)さんのお話を聞いてきました。会場は、大使館や高級住宅があって超オシャレな街、代官山にある寺カフェ代官山。依乗さん手作りの精進料理のおつまみをいただきながら、「つながり」についてのお話に耳を傾ける贅沢な時間を過ごしました。
夫の国、ミャンマーは、敬虔な仏教徒が多いため、仏教はもう生活の一部。毎日仏像を置いた仏壇に花や食べ物を供えたり、ことあるごとに寺院に足を運んでお坊さんの話に耳を傾けるのが当たり前です。ミャンマーに比べるとお坊さんとの関わりが少ないのかな、と思える日本ですが、いえいえ、どうして。こうして気軽に僧侶のお話が聞ける場は少なくありません。
代官山の寺カフェは、窓は五色幕に彩られ、店内には阿弥陀如来像が安置されています。手を合わせたくなるような空間。ミャンマーの敬虔な仏教徒がいたら、たぶん仏像さんの前でひざをついてお祈りを始めると思います。
この日参加したのは、素敵に楽しく年を重ねる情報サイト「スローエイジング」と寺カフェ 代官山のコラボのイベントでした。お坊さんのお話を聞けること、精進料理のおつまみをいただけること、それと寺カフェという場に行ってみたかったから。
体もココロも幸せになる精進料理のおつまみとスイーツ
まずは僧侶の山口依乗さんが登場し、阿弥陀如来像へ手を合わせ、イベントがスタートしました。
お料理とともに、お箸の袋に書かれた「食前のことば」を唱和して、出会いに感謝して乾杯。
依乗がご自身で作られた精進料理おつまみをいただきました。これがスゴかった。小麦粉を使わないメニューで、低糖質のおつまみを揃えていただきました。今年初のボジョレーニューボー。角が立っていたボジョレーを2回デキャンタージュしていただいた一杯(深みのあるお味でした♡)
まずは、オリジナルのソイチーズ「鎌倉醍醐」のシリーズで、麹と塩だけを使った「白虎」(白いほう)、黒いポツポツがあるのがペッパー味の「玄武」。クラッカーはお揚げ。全部大豆と塩。で、真ん中の黒いおつけものは、湯葉のお漬け物! 牛肉のような食感とお味。驚くべき精進料理。 おつまみのあとにいただいたのが、ローカカオニブプティング。バナナ風味で、ずっしり感があって、滑らか。かすかにプチプチ感もあってとっても美味。カカオニブのほか、どんな材料で作られていると思います?
上にのっているものは、昆布を揚げたもの。これを、甘いプティングの合い間に食べるとまた甘みを引き立てるんですねえ。バナナ風味ですが、バナナは未使用。ではなぜバナナの風味がするのか? 「その秘密は、カリウムなんです。バナナは入っていませんが、バナナの6倍のカリウムが約大さじ2杯分の中に入っています。成人男性が必要とするカリウム90㎎がこれ1杯で取れてしまうんです。材料はアボガドとサウジアラビア産の良質なデーツ。糖質はこれ1杯で2.5g程度。スーパーフードなんです」と依乗さん。
ちなみにこのデザートのニックネームは「Lovers Shot」。その心は、これを食べると恋をしているような気持ちになるから、なんですって。「体も精神的にも幸せになれる。脳内物質によって心のありようも変わりますからね」。やはり体と心によいものを食べるようにしていきたいものです。
材料となったカカオニブも見せていただきました。
「食べることは生きること」という信条で世界各国から希少食材を集めているNutrition-Actさんが、エクアドルから輸入してものとか。これを小麦粉なし、バターや砂糖抜きで料理したのがプティング。依乗さんは栄養学や料理にも精通している方。でどれもおいしく、体に優しい作用があるものということでした。
本物のカカオ。この実を割って中の実を醗酵させて、乾燥、焙煎したのがカカオニブで、カカオニブを粉にしたのがココアパウダー。ポリフェノール濃度がワインの2倍というわけで、体の酸化が著しいアラフィフにはありがたいおつまみ!
命はひとつ。すべてのつながりに感謝して、丁寧に生きてみよう
食べてばかりで仏教のお話はどうだったんだ? ですよね。
この日は「人や物や事、すべての“つながり”を大切に考え、丁寧に
カカオプリンひとつとっても、エクアドルの人が作って収穫して加工して、輸入され、お坊さんによって味付けされ、甘味にはサウジアラビアのデーツが使われる。そこにまた大勢の人が関わり、そして私たちが食べて生かされている。普段あまり気に留めないことですが、本当につながっているんだな、とはるか遠い国の人たちに対してありがたく思いました。
「生老病死、四苦八苦と言いますが、苦とは、サンスクリット語で思い通りにならない、という意味。生まれることも、老いること、病気になることもそうですね。だから釈迦は目の前のこと、今を丁寧に生きよう、と説いています。思う通りならない、と思っているのは自分自身。では自分って誰? そのとき、みなさんの命でできあがっていますと言えるようになることを目指すのです」と依乗さん。
つらいときは、自分を一旦かっこ書きにして行動する
それでもつらくなるときは、「よくいうのは“私”をかっこ書きにしてみてください。私を置いておいて、目の前の人たちのことを優先してみましょうか、と。大きな世界が、縦糸横糸で成っていて、自分も赤い糸でスッと入っていることがわかります」。幸せって、自分をどれだけ人に使ってもらえるか、なのだそうです。
参加者から質問も出ました。「介護が必要で、やってあげたいと思うけど、自分の仕事もあるからイライラしてつらい」とか。
「一度、“私”をかっこ書きして、相手のためだけを考えてみて。嫁姑問題で同じように悩む方も少なくありません。そういうとき、自分を置くと、つらくなるので、目の前のおばあちゃんのことだけを考える。許せないことをされた過去があっても、縁だと思って対応してみると、ものの味方が変わってくるんですよ」。
「末期ガンの御祖母様の介護をするのがつらい」と話す方も。ご本人が一番つらいのは重々承知の上だけど、やらないといけないこともあってイライラしちゃって、と。私も、「わかる」と思いながら話を聞いて言いました。そう言う場合は、「相手のことを優先するのも大事だけど、『今日じゃないとだめかな? 明日でいいいなら助かるんだけど』と一歩踏み込んでみることもいいことですよ。感情を素直に伝えて、そしてどうするかは相手の判断に委ねる。感情を伝えると、物事は案外スムーズに回ります。人と向き合うとき、感情だけを伝えるとケンカにはならないんですよ」。
それは普段の暮らしでも同じ。「子どもがカバンを放りだして遊びに行こうとする子どもに、宿題やってから行きいなさい!と言えば、子どもは言うことを聞きません。でも、やってから行くならママも安心するわ、と言えばそのあと子どもは自分で判断します。相手を自由にすることが大事です」。
恋愛もそう。「なんで会えないのよ!」といえば雰囲気が悪くなる。「会えないの? 淋しいな」と言えば相手が考える。それを「私メッセージ」というんだそう。ちょっと「私メッセージ」で夫や回りの人とつき合う練習をしてみようかと思いました笑
最後は本日のめぐみに感謝をして会が閉じられました。かっこ書きにして頑張ろう!と思って帰途につきました。
お坊さんと話せる現代版かけこみ寺
この寺カフェは現代のかけこみ寺としてオープン。日本のお寺は、なんとなく敷居が高くて、普通の人には近づきにくい雰囲気があったので、お坊さん自身が街に出て、悩んだり生きづらさを感じる人と話せる場所にしようというのが始まりなんだとか。今回のようなイベントとは別に、個別にお坊さんに話しを聞いてもらうということもできるのだそうですよ。
今回寺カフェさんとコラボしていたニュートリションアクトNutrition-Actさんからのお土産をいただきました。
カフェでいただいたカカオニブやロークッキー、アルガンオイル!
カカオニブ(お土産用12.5g):25g 270円(税込)アルガンオイル:3mL 162円(税込)×5包
ロークッキーは、添加物、砂糖ゼロ。小麦粉を通さず、火も通していないというクッキー。成分の栄養をそのまんま体にいただける。小さいけれど、歯応えがありながらしっとり。甘さも十分で1粒でかなりボリューミーでした(^^) ごちそうさまでした!
ロークッキー3個入り:756円(税込)