ミャンマー出身のゾゾと出会って、結婚式のためにミャンマーに行くまでに、運転免許を取っておこうということになりました。仕事を探すのにも免許があると有利ですし、買い物などに行くときにも、運転してもらえると助かりますからね。
ゾゾは、ミャンマーで取った運転免許を持っていました。私も自動車の免許はアメリカで取って、日本では書き換えだけで済んだので、ミャンマーの免許も書き換えられると思ったらダメでした。「道路交通に関する条約(ジュネーブ条約)に基づく国際免許証」というのがあって、その国の免許証なら書き換えられるのかもしれません。でもミャンマーはその中に入ってないんです。
→国外運転免許証が有効な国等(ジュネーブ条約加盟国)
なので試験を受けて免許を取らなければいけなくなりました。
しかし、必要ないお金はびた一文払いたくないゾゾですから、教習所に通うなど論外。
ではどうしたかというと、運転免許試験場での一発合格を狙いました。
普通免許試験、1回4,750円ですから、教習所に通うよりはるかにリーズナブルではあります。
でも、安全運転のためには短期間でもいいから教習所に…と勧めましたが、聞きいれてもらえませんでした。
さて、結局学科試験は英語で、1発目100点で合格。
問題は技能試験です。日本で運転したことがないので、事前に私の母が同乗して、何度か田舎道を走りました。
1回目。
出発して、1つめの信号に至るまでの間で、おしまい。
「はい、ゾゾさん、終わりです」
「え? なぜですか?」
「車線変更を一気にしました」
ゾゾ「だってさ、他に車がないんだから、左側から入って、真ん中の線まで一気に行っちゃうよね」
でも、試験ですから!
ふつうは、試験に落ちてしまったとき、理由は教えてもらえません。
そういうルールになっているだそうです。でも聞けば教えてくれるのだそうです。これから試験を受けようと思っている方、万が一ダメ出しをされたら、勇気を出して理由を聞いた方が、絶対にいいです。同じ間違いをしなくてすみますから。
ちなみに2回目。
前回失敗した車線変更は、丁寧に周囲を確認しながら進んだので無事通過。
さて次です。
信号がない交差点で、曲がろうとして、「はい、ゾゾさん終わりです」
2回目もアウト。
どうしたかと思いますか? 指定場所不停止でした。
ゾゾ「ミャンマーには一時停止の線がないから、わからなかった」
私「ないっけ?」
ゾゾ「ないよ、だから止まらないで進んじゃったんだ」
3回目は、やっぱり指定場所不停止。
今回は、前方に見えている信号が赤だったので、停止線で止まらなくてもいいように、スピードを落としてノロノロ進んだのだそうです。
試験でですよ。ときどき、突拍子もないことをするので、目が飛びだしそうになります。
ゾゾ「だって前にも後ろにも車がないから、ムリして停止線まで行って止まる必要ないじゃん。ブレーキだって減っちゃうし」
って。そんなことを考えているので、不合格。
結局、4回目で実技試験に合格して、無事免許を取ることができました。
今は、毎日仕事で車を使っていて、事故も起こしていないのでルールは守って乗っていると思いますが、あまり一緒に乗りたくありません(^_^; 不必要にスピードを出すし、車線変更をよくするのでヒヤヒヤするからです。
たぶん、ミャンマーに行かれた経験があり、自家用車やバスに乗ったことがある人は、同じような思いをした人も多いと思います。
ニコニコおおらかなミャンマーの人たちが、ひとたびハンドルを握ると、ひょう変する傾向があります…。
18歳になり、来年には大学生になる娘にゾゾは言います。
ゾゾ「そろそろ運転を練習しないといけないな。パパが教えてあげるから、自分で試験場に受けに行けば受かるから」
イヤイヤ、絶対それはできません。きちんと教習所で勉強してもらいますから。